「弾き下ろしビデオミュージック”Alive”」とは？

かつて映像と音楽の出会いは「サイレント映画」でした。日本では活動弁士が映画の解説をしていましたが、海外ではピアノやオーケストラやバンドで音楽を上映に合わせて伴奏していたのです。

現在、映像に音楽を合わせる作業は、もっぱら編集作業の一部として完全に組み込まれ、誰でも自由度の高い音合わせができることで、ハイレベルな作品が次々と生み出されています。この時代に何かビデオ用音楽集にできる新しい提案、要素はないかと思案の末にたどり着いた一つの発想が、このサイレント映画の上映スタイル、「ライヴ感」です。

今や殆どのポピュラー音楽が、コンピューターでのいわゆる「打ち込み」を基本にしています。もちろん近年の驚異的な技術発達により、生楽器のシミュレート精度やゆらぎ感の再現性が高くなり、ちょっと聞いただけでは生演奏と聞き分けがつかないレベルになっています。しかし打ち込みでは極めて再現が難しいものがあります。それがライヴ感。「生演奏」の空気です。

「Alive」 Vol.2では、現在音楽業界の一線で活動・活躍しているギタリスト・プロデューサー 橋本幸太氏に収録をお願いし、最も人肌・手触りを感じられる楽器、アコースティック・ギターをフィーチャーしました。スチール弦のスタンダードなアコースティック・ギターの他、ナイロン弦による生演奏も収録しています。

各楽曲の制作では実際にビデオを撮影される方の作品、その世界観にマッチする感覚の音楽をご提供するために、本誌の「魁！！ビデオ道場」に投稿して頂いた作品からセレクトし、実際に作品を見ながら収録を進めました。ビデオを撮影される方に馴染みの深く、尚且つギターという楽器の音色を生かせる「家族」「郷愁」といったテーマ・キーワードに沿い、映像作品から生まれるイメージを即興演奏して頂いた楽曲を収録しています。

また、録音にはNeumann社のU87iという高品位マイクを使用、音質・マイクポジションに徹底的にこだわって収録。整音（マスタリング）も、自然なステレオ感・ギター本来の温かみをそのまま封入することをコンセプトに行い、狙いどおりの音源が完成いたしました。

使ってみて実感する、映像に加わるリアリティ。映像に命が吹き込まれる”Alive”感。「弾きおろしビデオミュージック”Alive” Vol.2」を是非あなたの作品にもお試しいただければ幸いです。